こちらでは、放課後等デイサービスで働くために必要な資格・要件についてまとめました。児童指導員になるための要件は?無資格でも働けるのか?などのよくある疑問についても記載しています。
これから放課後等デイサービスで働きたいと思っている方や、新規事業所をオープンする予定の方も、ぜひ参考にしてください。
目次
放課後等デイサービスに必要な人員とは
放課後等デイサービスには、「最低でもこの人員を揃えておくように」と厚生労働省が定めた人員(職種)があります。この人員基準は必ず守らなければならず、もし人員が不足してしまった場合、減算というペナルティが課せられます。
一般的な人員とその配置基準は下記のようになります。
職種 | 必須人数 | 備考 |
管理者 | 1人 | 他の職務と兼任可 |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上 | 常勤 |
児童指導員 | 2人以上 | 1人以上は常勤 半数以上が児童指導員または保育士であること |
保育士 | ||
障害福祉サービス経験者 | ||
指導員 | 基準人員にはカウントされない |
(例:1日定員10名の場合)
このことから、放課後等デイサービスでは「児童発達支援管理責任者、児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者」の要件を満たす人が必要であることが分かります。
※1日の利用人数が10名を超えた場合は、さらに児童指導員等が1名必要になるなど、利用人数に対して、人員配置基準も変わります。
必要な資格・要件について
では、それぞれの職種について、必要な資格や要件を見ていきましょう。
管理者
事業所の管理を統括する職種です。経営的なこと、請求業務、人員の管理、求人、外部や地域との連携など、事業所の中核的な仕事を多岐にわたって行います。
管理者としての資質が問われるので、一定の実務経験などが必要になることがあります。
児童発達支援管理責任者
児童の特性を理解し、保護者の意向を組みながら個別支援計画を作成します。日常の療育にも関わりながらも、現場に適切な指示を出し、事業所の理念に沿った療育ができるよう働きかけます。
保護者や学校、他の放課後デイなどとの連携も図ります。
- 実務経験
児童または障がい者に対する支援を内容とする業務に5年以上従事していたなど - 研修
相談支援従事者初任者研修
児童発達支援管理者研修
詳しい要件は【2019年最新版】児童発達支援管理責任者の要件 に掲載されています。
児童指導員
障がいを持つ子どもたちへの療育や、さまざまな事情を抱える子どもたちへのケースワーク(問題解決のための援助)を行います。
実は「児童指導員」という名の資格は存在せず、下記の任用資格があれば児童指導員として働けるということになります。
- 地方厚生局長等の指定する養成施設(福祉系の専門学校)を卒業した者
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 大学or大学院(海外も含む)で、社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を専修するか、これらに相当する課程を修めて卒業した者
- 上記の科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、大学院への入学を認められた者
- 幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教員免許を持ち、都道府県知事が適当と認めた者
- 高卒もしくは中等教育学校卒で、2年以上児童福祉事業に従事した者
- 3年以上児童福祉事業に従事し、都道府県知事が適当と認めたもの
(参考)児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第43条(平成31年4月1日施行)
http://www.rakuraku.or.jp/shienhi/liblary/FileDir/CT110N676.pdf
(参考)2019年4月から、幼稚園免許も対象となりました。
http://www.rakuraku.or.jp/shienhi/liblary/FileDir/CT110N674.pdf
保育士
保育園で働くイメージが大きいですが、最近では発達障害児の療育のため、放課後等デイサービスで働く保育士も増えています。
- 保育士資格(保育士証)
※平成15年の法律改正により、保母資格を所有しているだけでは保育士として働くことができなくなっています。以前の保母資格証明書では保育士としてはカウントされませんのでご注意ください。
障害福祉サービス経験者
児童指導員と同じく、障がいを持つ子どもたちへの療育を行います。
- 2年以上障害福祉サービス事業に従事した者
※以前の職場から、2年間分の在籍証明書をもらう必要があります。
指導員
児童発達支援管理責任者および児童指導員のサポートや、事務作業・送迎などを行います。
- 特になし
(障害児に対し、適切な指導を行う能力があることは求められます。2年間勤めた後、児童指導員になることができます。)
作業療法士・理学療法士は児童指導員になれる?
結論からいうと、作業療法士や理学療法士は人員配置において、必要な人数にカウントすることができます。
以下、厚生労働省が出した通達を抜粋しておきますね。
作業療法士や理学療法士等については、人員配置基準における機能訓練担当職員としてお示ししており、現行の規定においても、機能訓練担当職員として配置されている作業療法士等が専ら放課後等デイサービスの提供にあたる場合には、人員配置基準上必要な数に含めることができるとされています。(厚生労働省HPより)
無資格でも放課後等デイサービスで働ける?
無資格であったり未経験でも、指導員として放課後等デイサービスで働くことはできます。実際に、ASISにも無資格未経験の指導員がいます。児童指導員任用資格に匹敵するくらい必要なスキルを持っているからです。
ただ、人員配置に入れることはできませんので、人件費や人員配置基準のことを考えると、一般的には採用されにくいのが現状です。将来のことを見据え、資格取得に励むことも大切ですね。
まとめ
放課後等デイサービスの運営に必要な人員やその資格・要件などは、随時新しい基準が設けられたり、通達がなされます。厚生労働省のホームページやガイドラインを、定期的にチェックしておくようにして下さいね。