放課後等デイサービスを運営していてよく聞かれるのが、「放課後等デイサービスと児童発達支援はどう違うの?」ということ。
対象年齢や利用できる期間、また注意すべき点を含め、分かりやすく説明します。
目次
放課後等デイサービスと児童発達支援の違い
放課後等デイサービスと児童発達支援では、下記のような違いがあります。
名称 | 児童発達支援 | 放課後等デイサービス |
---|---|---|
対象年齢 | 0~6歳 (~18歳) |
6歳~18歳 (20歳の特例あり) |
就学状況 | 保育園・幼稚園など | 小学校・中学校・高校 |
利用できる期間 | ・小学校入学まで ・18歳の誕生日まで |
高校卒業後3月末まで |
一般的には小学生になるまでは児童発達支援、小学校に入学したら放課後デイ」というイメージが大きいですよね。
ただ、高校生の場合、いくつか注意点があります。
注意すべき点
16歳~18歳でも児童発達支援になる場合がある
16歳~18歳という年齢でも、実際に児童発達支援となっているケースがあります。
- 中学校卒業後、高校に進学しなかった場合
放課後等デイサービスの場合は「就学」が条件となります。よって、16歳でも、中卒で高校に進学しなかった場合は、児童発達支援のサービスを受けることになります。
- 高校を中退した場合
高校に籍がなく「就学」していないことになりますので、同じく児童発達支援のサービスを受けることになります。
放課後等デイサービスの対象にならない高校がある
放課後等デイサービスの利用で気をつけないといけないのは、「放課後等デイサービスの対象にならない高校がある」ということです。
高校には、一般の高等学校を始め、特別支援学校や高等専門学校、高等専修学校、通信制高校などがあります。
これらのうち、放課後等デイサービスの対象となるのは「学校教育法に規定する学校」です。
この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。(学校教育法 第一条より)
この第一条には専修高校や通信制高校、単位制高校は含まれていません。
こちらが注意点で、この場合は児童発達支援の対象となります。
ただ実際には、通信制高校とうたっていても、第一条にあてはまる高校もあります。
その場合は、放課後等デイサービスの対象となります。
児童発達支援は、18歳の誕生日までしか利用できない
こちらも注意ポイントです。
上記のような理由で、高校生が児童発達支援のサービスを受けることになった場合、18歳の誕生日までしか利用できません。
放課後等デイサービスなら、高3の卒業後の3月末まで利用できるのに。。。
なんとも言えない制度です。
両方を併用している施設だと安心
小学生や中学生は、基本的には放課後等デイサービスを利用することになります。(義務教育ですので、不登校であっても学校に籍があり、就学児と扱われるため)
気をつけておきたいのは、中学校を卒業した後です。
上記で挙げたように、中卒や高校中退となると、放デイは利用できなくなり、児童発達支援のサービスに切り替わります。
そうなると、これまで通っていた放課後デイにも通えなくなる可能性があります。
この場合、その施設が「放課後等デイサービス」と「児童発達支援」の両方の登録を行っていれば、大丈夫です。
もし「放課後等デイサービス」しか登録していなければ、このお子さんは、他の施設を探さないといけないということになってしまいます。
私たちASISも、そういった意味で「放課後等デイサービス」と「児童発達支援」の両方を利用できるようにしています。中高生に特化した施設なのに、児童発達支援なんてちょっと変に思えるかもしれませんね。
また、多目的施設という意味合いで、2,3歳児から高校生までを同じ施設で預かっているところも多く見られます。
この場合は「放課後等デイサービス」と「児童発達支援」の両方が混在していますので、18歳まで問題なく利用することができます。
施設情報は事前にしっかりチェックしよう
障がい児にとって、通いなれた施設に行けなくなり、新しい環境に身をおくことは、少なからずストレスが生じるものです。保護者にとっても、また1から人間関係を築かなくてはいけません。新しいスタッフがお子さんを理解し、サポートしてくれるか不安もあるでしょう。
そのためにも、入所前に施設の情報はしっかりとチェックしておきましょう。
各自治体のホームページでは、「放課後等デイサービス」として登録されている施設や「児童発達支援」として登録されている施設の一覧が見られるようになっています。
利用前の見学や体験時には、ぜひそういったことを確認しておいてくださいね。
まとめ
今回の内容は、ASISをオープンしてから何度も出てきた疑問や質問をまとめたものです。
これから放課後等デイサービスを利用しようと思われている方、また施設運営にかかわっている方の参考になれば幸いです。
(こちらの記事は2019年10月の情報に基づくものです。)