「不登校で放課後等デイサービスを利用できるなんて知らなかった」という保護者の方は多いです。そもそも、放課後等デイサービスの存在すら知らない、という方も。
実際に、ASISの保護者の中にも「こういったサービスが利用できるなら、もっと早く調べておけばよかった」という方もいらっしゃいました。
不登校の子どもには、放課後等デイサービスという福祉サービスはとてもおすすめです。その理由について、ASISで感じたメリットとデメリットを交えてご説明します。
目次
不登校児が放課後等デイサービスを使うメリット
利用料金が安い
フリースクールなどと比べると、放課後等デイサービスの場合、利用料はかなり安いです。(世帯の所得により、月額0円、4,600円、37,200円のいずれかになります。)
不登校のお子さんの居場所としては、料金的にも通わせやすい場所であるといえるでしょう。
発達障害に対する理解がある
不登校になった児童は、発達障害であったり、発達に何らかの課題を抱えているケースが多いです。(自閉症スペクトラム、ADHD、アスペルガー、学習障害(LD)、場面緘黙症など)
放課後等デイサービスには、精神保健福祉士、社会保険福祉、臨床心理士など、専門の知識をもった職員も多く、発達障害に対する理解も深いです。
一人ひとりのお子さんの特性に合わせた療育を受けながら過ごせる、というメリットがあります。
施設数が多い
フリースクールや適応指導教室などと比べると、放課後等デイサービスの施設数は全国的にも圧倒的に多く、本人に合った施設(療育内容・通いやすい距離など)を見つけやすいというメリットがあります。
少人数の環境で落ち着いて過ごせる
こちらは施設によって違いますが。。
例えばASISのような中高生向けの放課後等デイサービスでは、ほとんどの児童が放課後16時くらいから来所してきます。それまでの時間はほぼ児童はいません。
ですので、不登校のお子さんは、児童の人数が少ない13時くらいに来てゆっくりと過ごすことができます。人数が増えてくる16時くらいに帰ることもできます。
「大勢の環境になれるまで、利用する時間を調整できるのは嬉しい」というお声もよくいただいています。
不登校児が放課後等デイサービスを使うデメリット
受給者証をとる必要がある
放課後等デイサービスを利用するためには、受給者証が必要になります。これは、福祉サービスを利用するために必要なもので、障害などで発行される手帳とは違うものです。
発達障害グレーの場合、この受給者証を取ることに抵抗を感じる方は多いでしょう。自分の子どもを障害者のようにしてしまう、といった自責の念にかられることもあるようです。
こちらに関しては、以下の記事をご参考ください。
通える日数が少ない
放課後等デイサービスは、施設の数は全国的にも多いのですが、自治体によっては、1ヶ月あたりで通える日数が少ないというデメリットがあります。
放課後等デイサービスを利用できる日数(支給量)は、各自治体によって大きな違いがあり、1ヶ月23日を上限とするところもあれば、10日しかもらえない自治体もあります。
1ヶ月で10日しか利用できないとなると、残りの20日あまりをどう過ごせばいいの?ということになり、また新たな課題が出てしまいます。
幸い大阪市では支給量が23日ありますので、フリースクール等と同じような形で安くご利用いただけますが、地方(財源が少ない自治体)では難しいようですね。。
学習面で学校との連携が少ない
フリースクールの場合、地元の小・中学校と連携していて、登校したら学校の出席扱いになるところもあります。放課後等デイサービスの場合、残念ながらそういった連携はありません。
よって、「出席日数をかせぐためにフリースクールを選ぶ」といったケースは多いでしょう。
ただ、インターネット教材【すらら】のように、ITを活用した自宅学習が出席扱いになるケースがあることをご存じでしょうか。
こういったケースを利用し、内申点を上げて全日制の高校に進学するという方法もあります。
最近では、学習系の放課後等デイサービスで、インターネット教材を利用しているところも増えています。そういった施設を探すのもおすすめです。
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(私立の中高約150校で使用されている、教育委員会も採用しているインターネット教材です)
まとめ
子どもが学校に行けなくなることは、保護者にとってとてもつらいことです。仕事も手につかなくなるでしょう。ただ、そこでのお子さんへの関わり方が、子どもの今後を大きく左右します。
将来何が子どもにとって最高に幸せなことなのか。それを見間違えてはいけない思います。
実は私は、自分でもプチ不登校を経験し、不登校→高校中退の息子の親という経験もしてきました。
少しでも、同じように悩まれているお子さん、保護者の方の力になれれば幸いです。